ハイバックはなぜ飛ばないのか

       

ハイバックが飛ばなくて悩んでいる人は多いでしょう。あるいは、飛ばせるのだけど違和感や苦手意識を持っている人もいると思います。私もそうでした。その原因はハイバックのスイングの特性とシャトルの特性によるものだと私は考えます。

真っ直ぐ打つとシャトルは飛ばない

シャトルの重大な特性のひとつです。シャトルに対して真っ直ぐ力を加えると、つまり、飛ばしたい方向とスイングの方向が一致していると、空気抵抗により力が伝わりにくくなります。上手く飛ばすには、シャトルを回転させるために、上下左右のいずれかの方向に少し力を加える必要があります。

ドライブやプッシュ、プッシュレシーブなどはこれを意識して打ってみると実感しやすいでしょう。

ハイバックのスイング方法

通常オーバーヘッドだと、シャトルに当てたあとはラケットを振り下ろします。従って、このシャトルの特性が問題になることはあまりありません。しかし、ハイバックのフォロースルーは腕の構造上、斜め上方向または水平方向になります。そのため、真っ直ぐ飛ばそうとすればするほどシャトルの抵抗が大きくなり、飛びづらくなります。

これを避ける方法は2つあります。

  1. きっちり振り下ろす
  2. インパクトの瞬間にラケットを少し外側にスライドさせる

1.はフォアと同じ動きをするということになります。リーチョンウェイ選手を参考にすると良いでしょう。ただし、状況によっては振り下ろすのが難しい場合があります。そのときはシャトルが横に回るように、2番目の方法をとります。これは面を切るのではなく、面はフラットのままスライドさせます。こちらの動画は参考になると思います。 (https://www.youtube.com/watch?v=AQN09SdyP1o&t=3305)

どちらもそれほど大きな動きをする必要はありません。ラケットの面の半分くらい動かせば十分です。インパクトの瞬間に少しキュッとやる程度で大丈夫です。ぜひ試してみてください。

ちなみに、林丹選手のあの背面トリックショットも、同じ原理で、真っ直ぐ奥に飛ばそうとすればするほど失敗します。このショットもシャトルの特性を実感するための良い題材なので、色々試してみてください。僕はインパクトの瞬間に肘をおもいっきり上げるようにしています。するとラケットが少し外側に動くので、シャトルが回転してくれて、上手く飛びます。