開区間上の凸関数は連続である

開区間 $U \subset \mathbb{R}$ 上の凸関数 $f: U \to \mathbb{R}$ が連続であることを示します。ここで、凸関数であるとは、任意の $x, y \in U$ と任意の $0 \leq t \leq 1$ に対して

$$f(tx + (1 -t)y) \leq t f(x) + (1 -t)f(y)$$

が成り立つことです。

証明

$x_0 \in U$ を一つ固定し、$x_0 \in [a, b]$ を満たす $a, b \in U$ を取ります。このとき、任意の $x \in (x_0, b)$ に対して

$$\frac{x -x_0}{b -x_0} + \frac{b -x}{b -x_0} = 1,$$

$$\frac{x -x_0}{b -x_0} b + \frac{b -x}{b -x_0} x_0 = \frac{bx -bx_0 + bx_0 -xx_0}{b -x_0} = x$$

なので、$f$ の凸性から

\begin{align} && f(\frac{x -x_0}{b -x_0}b +\frac{b -x}{b -x_0} x_0) & \leq \frac{x -x_0}{b -x_0} f(b) + \frac{b -x}{b -x_0}f(x_0)\\ \Leftrightarrow && f(x) & \leq \frac{x -x_0}{b -x_0}f(b) + \frac{b -x}{b -x_0} f(x_0) \\ \Leftrightarrow && f(x) -f(x_0) &\leq \frac{f(b) -f(x_0)}{b -x_0}(x -x_0), \end{align}

となります。同様に

$$\frac{x -x_0}{x -a} + \frac{x_0 -a}{x -a} = 1,$$

$$\frac{x -x_0}{x -a}a + \frac{x_0 -a}{x -a}x = x_0$$

なので、

\begin{align} && f(\frac{x -x_0}{x -a}a +\frac{x_0 -a}{x -a}x) & \leq \frac{x -x_0}{x -a} f(a) + \frac{x_0 -a}{x -a} f(x)\\ \Leftrightarrow && f(x_0) & \leq \frac{x -x_0}{x -a}f(a) + \frac{x_0 -a}{x -a} f(x)\\ \Leftrightarrow && f(x) & \geq \frac{x -a}{x_0 -a}f(x_0) -\frac{x -x_0}{x_0 -a}f(a) \\ \Leftrightarrow && f(x) -f(x_0) &\geq \frac{f(x_0) -f(a)}{x_0 -a}(x -x_0) \end{align}

が成り立ちます。ここで、

$$C = \max\left\{\left|\frac{f(b) -f(x_0)}{b -x_0} \right |, \left|\frac{f(x_0) -f(a)}{x_0 -a}\right| \right\}$$

とおくと、

$$|f(x) -f(x_0)| \leq C |x -x_0|$$

となります。$x \in (a, x_0)$ に対しても同様にして、

$$|f(x) -f(x_0)| \leq C |x -x_0|$$

を満たす定数 $C$ が存在することがわかります。よって $f$ は任意の $x_0 \in U$ で連続です。


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